2021年05月16日

もう一つの職人技の作品紹介 透かし彫り香炉

今年の枚方伝統工芸展は枚方市の新たな芸術文化センター(正式名称は知りません)が9月に開設するそうで、その時のイベントとして開催されるそうです。そして、一般公募も今のとこるは予定されているようです。詳細は7月頃の広報に載るそうです。

一般公募は一人一点のみだそうで、少し物足りませんが、出展応募をしたいと思ってます。

明日、この数か月分の還元焼成の作品が出来ます。その中には、尺皿も2点ほどありますので、これを工芸展用に仕上げようかと思ってます。尺皿は、一点が月白、もう一点は青磁で仕上げてます。その出来次第で、上絵付をするかどうかを決めたいと思ってます。

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今日はもう一人の職人さんの作品を紹介します。それが上の写真で、飴釉の香炉。

香炉は丸で半分位の高さでカットされ蓋物のようになってます。

建前は生徒さんが作っていたものを職人さんが手伝って形ですが、実質ほぼ100%職人さんの仕事です。

透かし彫りは、七宝の文様です。この透かし彫りが非常に難しくて、生徒さんのものは、透かし彫りが壊れているのですが、職人さんがやったこの作品は完璧な仕上がりで大きな失敗はありません。

この透かし彫りの仕上げだけでも、数日は掛かっているでしょう。

仕上げは飴釉。そして、七宝の文様は金彩が施されています。写真では、この金彩で仕上がって作品の良さは伝わり難いですが、現物は、誰ば見ても”これすごい”と思わず声が出るほどです。

皆さんに何をお伝えしたいのか良く分かりませんが、先日の牡丹の絵付けにして、この香炉にしても職人さんの仕事はここまで違うんです。

変な言い方ですが、職人さんの仕事は時間を掛ければかけるほど良くなって行きます。でも、私みたいな素人は逆に悪くなって行く傾向にあります。

仕事と書いてますが、両方の作品ともに職人さんの遊び見たいな作品ですが、その技術力の差は歴然としたものがあります。

売るとしたら幾ら位ですかと聞いたら、5、6万くらいかなとってました。職人さんですから、毎日沢山の商品を作ってますから、気分展開みたいなものなんでしょう。

この人たちの技術に一歩でも近づきたいと思います。

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2021年05月15日

職人さん 絵付け師のプロの技 蓋物の下絵付け

皆さんコロナワクチンの予防接種の予約はお済ですか? 私の方は、受付開始初日インターネットで予約をしました。電話や、かかりつけの医者の方は多分電話が殺到して難しいと思ったので、スマホとパソコンを使い受付開始の5分前にアクセスしたら、大きな病院は最初から予約出来ない状況でした(何故なんだろう。予約開始前から、埋まっているのは)が、なんとか5月28日と6月4日で初回の二人分の予約が出来ました。

一回目は簡単に取れたんですが、2回目を取ろうとするとやり方が分からなくて、一回目を取って、2回目の分を予約しようとして、新規の予約をするを押すと、今の予約取り消しますかと表示がでます。これで二回目は、一回目の接種の接種が終わった後で予約を取るものと思い込んでしまいました。本当は、一回目の予約が終わったら、もう一度、接種会場の画面から、希望の病院を選び、そして、カレンダーから接種日を選ぶと言う作業をやるようになっているそうです。同封されていたパンフレットを見ると確かにその旨のやり方が書いてありました。普通は、画面の指示に沿ってやれば出来るようになっているんですけどね。そんな訳で、2回目の予約が出来てません。

最初から、2回目も取る必要があるのであれば、アプリでそれを誘導するようにしたらいいのに、不親切なアプリでした。

コールセンターに電話すると、”今は、予約が一杯で受付中止になっており、6月3日午前9時から、追加受付が再開の予定です。”との事。結局は、予約が満杯だったんですね。

菅総理が、”訪米して500万回分の追加ワクチンが確保できました”と言ってましたが、あれって何だったの。9月までにとも言ってましたので、9月になったら十分供給されるんでしょうかね? 担当大臣までおいているのに、今の時期でも、この体たらく。どうなっているんでしょうね。オリンピックまだ80日を切っているのに接種率はまだ3%位。オリンピックの前までにある程度の高い率で、接種が終わっているいる計画なのかなと思っていたら、何度7月末までに65歳以上の高齢者の接種を完了予定と昨晩総理が言ってました。やっぱり、この国の政府、官僚は当てにならないですね。

国民はコロナ禍疲れで、疲弊しきっているのに。政治家はもともと頼りにならないのは分かっているけど、官僚も能無しの集まりか?



絵付け師の作品


私が通う京都の窯元の職人さん達の雇用形態は基本的には個人事業主だそうです。詳細は分かりませんが、職人さんの技量や職種に応じて契約が決まっており、それで収入が決まるようです。ですから、生産効率が求められ手間のかかる作品は余り作られません。

絵付師さんの一人が、自分の時間で下の作品を作って見せてくれました。今日はその作品の紹介です。

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写真で、この作品の良さがどこまで伝わるか分かりませんが、この作品は見れば見るほどいい作品で、絵付け師さんが相当な時間を掛けて作ったのが分かります。

磁器の蓋物で、牡丹と孔雀の絵付けがされています。その色合いが九谷のあのけばけばしい発色もありませんし、又、下絵付けのようなボケた様子もなく、そして、和絵具にはない細かなグラデーションなどがあります。

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生の半乾きの状態で、イッチン描きで主な絵付けの輪郭が描かれています。

このイッチン描きの後、花びらの筋を針で描くそうです。最初は筆と下色呉須で描いたのかなと思っていたんですけど、この写真だけを見ても良いですね。

色呉須で、着色するときは、絵具を薄めにして、花の下の方に薄くのばし、基本的なグラデーションを付けます。そして、根元の方に絵具を溜めると、針で描いた筋にピンクの色呉須が溜まり、花びらの筋が現れると言う技法の様です。この発色の良さは、素地が磁器であると言うのがありますが、もう一つの裏技があるようです。

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こちらが蓋の絵付け。技法は、本体部と同じです。

まずは、下絵付けの着色をします。そして仕上げは土灰釉で施釉。ここがポイント: 土灰釉は通常の土灰釉を少し薄めに掛けるそうです。そして、着色部は、通常の土灰釉を4倍程に薄めたものに着色して上から筆塗りをするそうです。

ピンクや赤の花びらは、4倍の土灰釉に色呉須を付けて直色。葉っぱの緑は土灰に織部釉、黄色は、土灰に檸檬釉、枝の茶の部分は、飴釉を混ぜて上塗りをするようです。

こんな技法があるんですね。初めて知りました。これであれば、それぞれの色釉をつくる必要はありませんね。

そして、私が思う最大のメリットは、この絵付けはこの後の本焼き一回で、作品が仕上がることです。

絵付けの発色を考えれば、上絵付をしても良いと思いますが、上絵付の着色、そしてその後の上絵付の焼成が必要になって来ます。

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上絵付の環境がない陶芸教室などでの絵付けにピッタリの技法ではないかと思います。

それともう一つの大事なポイントはイッチン描きの下絵の質です。私も同じような作品を作って見ようと、早速牡丹の花を描いて見ましたが、なかなか生きた花が描けません。絵付け師さんの絵付けは線に勢いがあり、綺麗です。花も立体感があるしね。絵付け師さん曰く”数千回牡丹を描いているから、手が絵付けの要領を覚えている”と言ってました。

最初の下絵付けは牡丹の花芯と花芯を取り巻く花びらを2重の丸であたりを取りそれに5枚の花弁を描きます。簡単に聞こえると思いますが木炭で描いて見るとこれが意外に難しい。5枚描く花びらが6枚になったり。まずは鉛筆描きで花を描く練習をしないと、上手く描けないと思います。

この作品はその内、インターネットで販売予定だそうです。価格は5~6万円位だそうです。ところで、この素地はプロの轆轤師さんの作品で、十分その価値がありそうです。生徒さんの中で購入したいと言う人もいますので、そちらへ売れれば出展はされないでしょう。

この絵付けの作品をお握り形の一輪挿しで作ってますので、その内に紹介出来ると思います。今、三個作ってますので、この技法のものと上絵付の作品を作る予定です。


ラベル:陶芸
posted by ノーマントミタ at 18:41| Comment(2) | TrackBack(0) | 未分類 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年05月05日

たたら作りの花入れ 自作のたたら粘土のカッティング道具

自宅のSolo陶芸はやっぱりたたら作りかな。簡単で道具も余り要らないし、粘土も丁寧に扱って行けば無駄がほとんどなくなるしね。

一番いいのは、轆轤を回さないからどべも出ないし、掃除の心配もあまりない。やはり、家庭の下水に泥水は流せないし、手を洗うだけでも気が引ける。その点たたらは、それが最低で済む。

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今日はこんな作品をたたらで作って見た。丸い作品は家中ごろごろしてるし、今日は少し形の変わったのものを。四角の少し変わった作品なんだけど、型紙を作って貼り合わせ。これであれば、型紙は一つで済みます。

底の四角は4cm角だから型紙なんか要らない。

少し、瓢箪みたいな形の型紙を使って側面のたたら粘土を4枚作ります。いつもだと粘土の塊をたたら板とこん棒で一枚の蕎麦みたいに延ばすんだけど、これって時間が掛るしどうしても中央が厚くなったりするでしょう。

そこで考えた。粘土を型紙より少し大きい程度に四角のブロックにまとめます。勿論、菊練りをして、完全に空気を抜いておきます。そして、次は、5mmのたたら板を積んでそれを切り糸でスライスします。当然、一番下は3mmの板。この部分と一番上は使いません。これで、4枚 x 5mmの粘土板が、10分もあればできます。次は、一枚ずつ剥がして、新聞紙を一枚敷いて少し乾燥。そして、一時間ほど乾燥させたら、貼り合わせ。貼り合わせて内側のコーナーにはこよりを入れた方がいいけど、貼り合わせ面を針などで傷を付けどべでしっかりと接着すれば剥離は出ません。

後は、ビニール袋を掛けてゆっくりと乾燥させます。本当はこれで完了ですが、少しデザインが気に入らないので、取っ手を付けました。そしておまけに薔薇までも(ちょっとくどいけど)。素焼きを見て要らないようであれば取ってしまおう。

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たたら作りで少し面倒な作業。それは貼り合わせの面のカット。皆さんはどのようにして面をカットしますか?

針、弓、カッターナイフですか?時間を掛ければ、そしてそれを惜しまないのであれば、それで結構なんですけど、上の写真のような道具を作って見ました。

木の板を鋸で切り、四角と長方形の切り欠きを入れます。四角が45度用、長方形の方は30度と60度用になります。

長方形の方は、底辺と高さを計算すれば、任意の角度が得られます。

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写真が逆さまですが、私が使う釣り糸と留金具です。太刀魚用のスチール糸で、これを切り糸などに使います。この糸を加工した木片に張るだけで、粘土の端面を切れるようになります。写真に細い糸が見えると思います。

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糸は弛みのないようにしっかりと貼ります。少し工夫が要って、予め、木片の上の方にドリルで穴を開けておきます。割りばしの先が入る程度に。この穴の上を切り糸が通りますので、そこに割りばしをナイフなどで丸くテーパーを付けたものを打ち込みます。穴に糸が入り込む分糸が貼られると言う訳です。ねじで巻く方法などもあると思いますが、要するに糸をしっかりと張ってやることが肝要です。

45度は4角形の90度の貼り合わせに、60度は8角形の貼り合わせに使います。たたら粘土を板の上に、このカッティングツールを端に当てて引っ張ってカットします。原理は弓でカットしているのと同じです。アメリカ人のYoutubeを見ると時々見かける道具です。



竹筒型壁掛け花入


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余った粘土でこんなものまで作って見ました。粘土は先日の市松文様の粘土ですから、白と赤の粘土です。

イメージは竹なんですが、白と赤の粘土がマーブル状の文様を出してくれるはずです。

粘土を練り直して空気を抜きます。そして丸い棒状に粘土をまとめてやって大体の長さになったら、手で叩いて平にして、5mmのたたら板と麺棒で伸ばします。今回は3mmでつくる事にしました。ラップを貼って裏返して3mmに延ばします。ラップで包むことで乾燥を遅らし、そして後の成型でひび割れなどが起きないようにします。

家にある細い麺棒に新聞紙を一枚巻きます。そして伸ばした粘土をラップ側を外にして麺棒に巻きます。継ぎ目を潰してしっかりと張り合わせます。それが済めば底用の粘土を置き竹筒を立て粘土をしっかりと接着します。このラップと新聞紙で、ひび割れはなし、そしてこん棒を抜き、新聞紙は丸くひねってやることで簡単に取れます。

後は装飾で、竹の枝と葉を付けようと思ったのですがもう一つで、ジプシーモスが竹に巻き付いているイメージにしました。

長くなりますので、簡単に書くと、クレイガンと言う道具を使って、細い粘土糸を作って貼り付けました。

クレイガンは”ところてん”の機械の原理で、手のひらサイズの金属の道具です。先の形状を変えるだけでいろんな形の糸が作れます。

面白い道具なんですが、この髪の毛見たいな細い粘土が巻き付いた作品を京都にどうやって運ぶかが問題で、多くのジプシーモスが崩れ落ちると思います。ジプシーモスはアメリカではフロリダなどの高温多湿の植物で、いろんな木に寄生して、細い葉を垂らします。名前からして、苔の一種かと思います。


緊急事態が延長されるようです。結論は7日に出そうですが、学校関係は対象になってませんので来週からは京都に通う予定です。
ラベル:陶芸
posted by ノーマントミタ at 15:07| Comment(0) | TrackBack(0) | 未分類 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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