大谷の活躍が凄いですね。アメリカのメディアでは、毎日のように大谷が取り上げられています。大谷はベーブ・ルースをはるかに超えているとか、今日のヤフーニュースで書いてありました。
先週は、昨日の絵付けをやったり、そして、磁器土での大物花瓶の制作をやってました。
こちらの一輪挿し。着色も終わり釉掛けへ。ここで少し変わった釉掛けをします。下絵付けは、素地が磁器土であっても発色が弱くなったりしますね。これを補う技法です。まずは、土灰で施釉します。石灰透明でもいいのですが、この後の加工で土灰釉の方がいいようです。
絵付けは、赤、ピンク、緑、特グリーン、錆(茶)、黄色を使いました。赤、ピンクは土灰に少し顔料を加えます。顔料と言っても下絵具を使って大丈夫です。後の色は、釉薬を使います。緑は織部、錆は飴釉、黄色は檸檬釉を使います。そして、土灰の上からこれらの色を筆塗りします。
そうすると、それぞれの色が強調されて発色が良い作品になります。これで、本焼きへ。焼成は酸化焼成。釉薬は全て、酸化の釉薬か、酸化・還元でも良い釉薬ですので、酸化焼成します。
次のプロジェクトは大物の花瓶の制作です。久々の筒上げ、陶土では全く問題なく筒上げが出来てます。しかし、磁器土になるとハードルが一段と高くなります。4kg弱の磁器土を使ったのですが簡単に言えば失敗。そこで、この磁土を信楽の白に混ぜて半磁器の土を作りました。比率は50:50。磁器土だけを練り直すと、空気が入る可能性があり、半磁器にすることで、その問題を解消します。
そして作ったのが上の作品。
約3kgの粘土を作り、筒上げ。やっぱり難しい。ある程度高く上がってはぼほぼOkの高さに上がるのですが、やはり、下の方が厚く、上が薄くなります。
これでも高さがあれば、膨らまして成型、乾燥させて削れば問題はありませんが、プロの轆轤師がやると、上から下まで同じ厚みで上がります。下が15mm厚、上は10mm厚。
最低でもこのレベルに筒上げをしたい。私の場合は下20㎜、上が、8㎜程度。この下の部分の余分な土を上に上げれれば、更に高い均一な厚みの筒が出来ます。
何度も何度も、土を引き上げる練習をしていたら、やっぱり手の恰好が悪いのに築きました。それと同僚と話をしているともう一つ会話の中でヒントを得ました。それは、なぜ土が上がるかと言う根本の部分です。
茶碗や湯呑の轆轤挽きは、基本的には、内外から土を挟むことで、挟まれた土に圧が掛かり、逃げ場を失った土は上か下へ移動します。
この上か下かは、手の合わせ方で決まりますが、基本的には内側の指が、外側の指の少し上になります。
小物ではどんな形でも土を上げることは出来ますが、何故筒上げは難しいかと言えば、土の量でしょうね。分厚い土を挟んで圧を掛けるのですが、最初は5cm位の厚みですので、内側の右手の指と外側の指の位置が中々分かり難い。そして、結果的に上手く土が挟まれていない。その為、上がった土を逆に下げてしまったりしてます。これが上手く上がらない原因です。
上の作品2点は潰すことにします。水曜日の最終日は、轆轤2台を使って筒上げの練習を同時にやっていたんですが、成型に時間が足りなくなって、両方ともに不細工な作品になりました。鶴首のところをもう少し半分位にすれば、それなりになっていたとは思います。細くすれば、高さも稼げますので、いい形にはなったと思いますけど、まだ筒上げの技術が不足してますから、来週練習を重ねたいと思います。
筒上げの手のフォーム
前述のように、筒上げの成否は両手のフォームにあります。
両指で挟んで掴んだ土を最初から最後まで、緩めることなく圧を掛け続けて、自然に土が上へ伸びて行くようにします。
左手はこの恰好で(ガラス板を使ってデモします。それにしても、手が日焼けで真っ黒)、上げて行く土は人指し指の鍵に曲がったところで、内側の人指し指に合わせます。
内側の右はこんなフォームで。外側の左手指と合わせますが、合わせた感覚がつかめない人は、右て人指し指を伸ばしても良いです。
この二つの手の指が合わさった形になります。
そしてもう一つの大事なポイントが、左ひじは左脚に載せない事。最初は載せていてもいいのですが、上に行くにしたがって、左脇を締めて、この手の形を崩さないように、ゆっくりと土を両手で挟み、最後まで引き上げます。
これが出来ていなかったのが私の上手く行かない原因でした。
同僚たちと話していると’やっぱり、素振りが大事なんだな”と言ってました。
これは実に的を得た表現で、ゴルフ、テニス、玉突き、ボーリングなどの基本は正しいフォームを身に付ける素振りが大事なんです。そしてゴルフで言えば正しいグリップ、アドレス、グリップ。ともすると、指先だけになりがちですが、基本が大事なんだと思いました。
皆さんの中で陶芸で悩む事があれば、基本に立ち返ってフォームを見直したら、目から鱗かも知れませんよ。”開眼”